自由自在に様々な方向へ動かすことができる関節、それが股関節です。
今回は股関節の様々な運動方向についての紹介をしていきたいと思います!
などなどのような疑問・悩みの解消になれば良いと思います。
また、人体について興味のある方もぜひ参考に読んでいただければ幸いです!
股関節について興味のある方はこちらの記事も参考にどうぞ!
股関節の動きはただ前後左右に動くわけではありません。
そんな股関節の動きについてこのあと説明していきましょう!
股関節の三次元の動きについて
股関節の構造は骨盤と大腿骨によってつくられており、その関節の形は球状のようにソケットと同じようにはまっています。
その中で大腿骨は前後左右・ひねりといったような空間的な動きが可能になっており、下半身の骨のなかでも可動性が広い自由な運動を行えるのが大きな特徴です。
そんな股関節の動きとなる
- 前後方向の屈曲・伸展
- 左右方向の外転・内転
- ひねり、回旋の外旋・内旋
について下記の項目ではそれぞれ説明していきたいと思います!
前後の動きとなる屈曲・伸展運動
股関節の前後の動きとなるのがこの屈曲・伸展です。
この屈曲・伸展という動きは日常生活で最もと言っていいほど使う動きとなります。
股関節屈曲
みなさん、自分の太ももをお腹の方に向かって引き上げてみてください。
この時に太ももの骨である大腿骨が体の前面に近づいてくる動きを屈曲といいます。
たとえば日常生活のなかでは・・・
- 椅子や床にしゃがむ、座るとき
- 歩く際に一歩足を前に出す時
- 階段を昇るときに次の段に足をかけるとき
- スクワットでしゃがむとき
- 物を拾う際に前に屈むとき
などなど色んな場面でこの屈曲という運動は使われます。
股関節の屈曲の運動は素晴らしく自由度が高く、その可動域は最大でお腹にくっつく140°となります。
まあ、そこまで柔らかい人はなかなか私も臨床では多く見かけませんが、大体120°~125°くらいがみんな苦しくなってくる限界かなと思います。
実際、お腹にくっつくためには両方の股関節を曲げた上で腰骨である腰椎も曲がらなければならなく、一見股関節の屈曲は柔らかいと思ってしまいます。
実際の股関節の範囲ではお腹にくっつかないのが標準なんですね!
腰椎の動きを入れることによってお腹にくっつけられるのかー!
また、股関節の屈曲は膝関節が曲がっているか、伸びているかにも影響を受けます。
膝関節が伸びている状態で股関節を曲げると大半の人はももの裏が突っ張って曲げるのがつらくなるでしょう。
逆に膝を曲げた状態で股関節を曲げると楽々に屈曲することが可能となります。
そうです。股関節は膝関節のポジションによって、柔らかさが決定されるのです。
このように、股関節の屈曲は骨盤や膝関節の影響を受けて可動域が広くなったり、狭くなったりと影響しやすい関節となります。
腰椎や膝関節のことについて知りたい方はこちらの記事も参考にどうぞ!
股関節伸展
股関節伸展の動きは屈曲と反対の運動になります。
そうです。ももを後ろの方へ蹴る運動を伸展といいます。
この運動は主に
- 椅子や床から立ち上がるとき
- 歩いて前に進むときの後ろへの蹴り出し
- 階段の次の段へグッと上りきるとき
- スクワットでしゃがみ込みから起き上がるとき
などなどのような動作で使われます。
大体、屈曲運動をした後は伸展の運動が入るのがほとんどですが、この伸展運動がないと人間は常に屈んだままになってしまいます。
人間が高いところに手を伸ばしていくためには、手だけではなく体も伸ばさなければ届かない場合もあります。
この時に必要になるのがこの股関節の伸展による伸びあがりとなるのです。
もちろん股関節以外にも腰や膝も伸ばして距離を稼ぐよ!
しかし、股関節の伸展は屈曲とは違って可動域はかなり狭いです。
自分で股関節を後ろに反らしてもらえば分かるとは思いますが、股関節屈曲に比べると背中にくっつくどころか地面から足を離して反らすのが精一杯でしょう。
そうです。股関節伸展の可動域は非常に狭いのです。
この伸展の可動域が狭いのにも理由があり、屈曲と同じく膝関節の屈伸の影響が関係します。
また、膝関節だけでなく股関節には過剰に動きすぎないように靭帯によって守られて補強されているのです。
そのため、股関節伸展の可動域は数値にすると膝関節が曲がっている状態では10°、膝が伸びている状態では最大20°くらいが限界となります。
え?でも体操選手とかすごい後ろまで反ってるじゃん!
そうですね。体操選手はすごいしなやかに股関節が縦横無尽に動いているように見えます。
しかし、体操選手は股関節が単純に伸展する可動域が大きいだけではなく、骨盤や大腿骨のひねりなどを利用して股関節がキレイに反っているように「見せている」からなのです。
もちろん、体操選手も関節を柔らかくするためのトレーニングはしています。
しかし、関節の構造上では限界があるので、骨盤や腰椎、大腿骨の可動域も駆使することによってキレイな姿勢を描いているのです。
このように、股関節伸展は狭い可動域でありながらも、身体にとっては重要な働きをしていることがいえます。
股関節伸展が出なければ歩く際に前に進むための力が無くなったり、立ち上がるのも困難になってしまうのですから!
左右の動きとなる外転・内転運動
足を開いたり、閉じたりする運動として表すのがこの外転・内転です。
日常生活で意識して使うことはないですが、この外転・内転も必要な運動要素となります。
股関節外転
上記の画像のように足を横に開いているのが股関節の外転という動きになります。
この外転というのは日常的に意識して使うことはあまりありません。
しかし、股関節を安定して地面にしっかり立っているためには必要な動きであり、どちらかというと固定の意味で外転という動きが使われます。
例えば、
- 段差をまたいで乗り越えるときの支えている方の足
- 階段を上り下りする際の片足での支えをしているとき
- しゃがんで重い物を持つ際に足を開くとき
などのような股関節を安定させる動作をしているときにひっそりと働いています。
スポーツ動作であるサッカーなどでは使われたり、体操選手の足の動きの際にはよく目立ちますが、日常生活ではそこまで目立った活躍をしないのが特徴です。
しかし、この股関節外転は骨盤との連動が強く、股関節が30°外転するとそれ以上は骨盤の傾きが入り、骨盤との動きを入れることによって足を大きく開いているように見せていくのです。
このように、股関節外転という運動は目立った運動は日常生活ではしませんが、ひっそりと股関節の支えとして働いていることが考えられます。
股関節外転は縁の下の力持ち!
股関節内転
股関節内転は、外転と逆に足を閉じる動きのことを股関節内転と指します。
この動作も基本的に日常生活で意識して使うことはありません。
股関節内転を使う動作は
- サッカーのインサイドパスをする際のボールの蹴り出し
- 片足立ちの際の支え足としての役割
- 気を付けの姿勢をする時の足を閉じる動き
などのような時に主に働きます。
股関節外転と違うのは運動の方向だけであり、基本的にこちらも股関節の安定性を主な働きとしています。
股関節の左右方向の運動はスポーツ動作などの特殊な動作でのみ顕著にみられる運動であり、日頃みんな外転や内転をして歩いているかというと微妙なところです。
みなさんも意識的に足を開いたり閉じたりして歩くことがしませんよね?
厳密には、わずかに外転・内転の動きはしていますが、それはあくまで股関節の安定性を保つための動きであるので、実際の動作としては視覚的に反映されづらいのが特徴となります。
骨盤と合わせながら体がぶれないように股関節を安定させて人間は動いているんですね!
そうですね。体幹の位置、背骨の動き、骨盤の動きと合わせて股関節の安定性や動きも調整されるのがポイントとなります。
股関節の動き全体がそうなんですか?
主に調整として行われるのがこの外転・内転ですね。このあと説明する外旋・内旋も同じような役割を担いますよ!
じゃあこのあとの外旋・内旋も安定性を意識した上で見ていきましょう!
ねじりの運動となる外旋・内旋運動
足を動かす際に一番意識が低いのがこの外旋・内旋。
この外旋・内旋という運動はねじれの要素となりますが、この要素が運動にとって重要な位置づけともなってきます。
股関節外旋
大腿骨を外側にひねる運動、それが外旋です。
股関節外転・内転の項目でも少し触れましたが、股関節における外旋は安定性にどちらかというと機能します。
運動の中では目立った股関節外旋運動はありません。
この外旋という動作は屈曲・伸展、外転・内転の動きに補助的に関与してくることが考えられ、それぞれに関わる筋肉が適切に働けるように角度や位置を微調整する機能を有します。
股関節の運動というのは決してまっすぐ足を出したり、反らしたりしているわけではないのです。
そこにはかならず外旋という運動がわずかに加わり、股関節の動きにゆとりを持たせていくようにしています。
それは股関節の構造上の問題で垂直に前後左右に足を振れない理由があるのですが、この外旋を行うことで足を前後左右に振って歩けるように構造上の問題を解消して動くことができるのです。
股関節の構造を知りたい方はこちらの記事も参考にどうぞ!
股関節内旋
内旋は、外旋とは反対の大腿骨を内側にひねる運動です。
簡単に例えるなら、内股にした形が内旋の状態と言えます。
この股関節の内旋は外旋と反対ですが、内側にひねるための筋肉はほとんどありません。
そのため、内旋という運動が生じる際には何か物理的な力が働いた時がほとんどです。
特に女性が行いやすい運動で、しゃがんだ時に足を閉じたり、内股座りが良い例でしょう。
股関節の内旋という運動は、意識的に行う運動ではなく自然な姿勢などで発生する運動となっています。
この自然な内旋をブレーキかけるのが外旋に行う筋肉なのです。
そのため、内旋の運動は股関節外旋の筋肉によってコントロールされ、位置を調節されていることが考えられます。
以上のことから、内側にひねる運動は外旋筋によって動きが調節されている運動ということになります。
【結論】股関節は三次元の複雑な動きを可能としている!
お疲れ様でした!最後までお読みいただきありがとうございます。
股関節って細かい運動が多いんですね!
初めて知りました!
ただ足を上げる際にも微妙に外旋や内旋の運動が入ったりして股関節ストレスの調整をしているんですよね。
股関節のその微妙な調節がスムーズな運動をして、大腿骨を動かしているということですね!
そうですね!股関節のスムーズな運動には様々な筋肉も関われば、それによる運動方向も決定づけられます。次回は股関節に関わる筋肉について紹介していきますね!
分かりました!それでは次回にまたお会いしましょう!
お疲れ様でした!
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