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変形性膝関節症に関わる5つの症状


佳吾
佳吾
どうも!理学療法士の佳吾です!

理学療子です!今回は症状編でしたよね?
理学療子
理学療子

佳吾
佳吾
そうですね。前回の概要編で紹介した症状について解説していこうと思います。

関節変形・痛み・可動域制限・筋力低下・炎症でしたっけ?
理学療子
理学療子

佳吾
佳吾
そうですね。どこにどんなきっかけで起きるか?状態がどんなものなのかなどについて少し噛んでいきたいと思います。それではいきましょう!


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変形性膝関節症の全体の概要を知りたい方はこちらを参照ください!リンクはこちらから!
理学療子
理学療子

目次

変形性膝関節症の症状について

前回のブログでは概要で症状を少し取り上げましたが、そのなかでも今回は

膝の痛み:階段利用時・イスなどからの立ち上がり時の関節痛、動作開始時痛、荷重痛、運動時痛、限定された部位の押されたときの痛み

可動域制限膝の完全な曲げ伸ばし困難、最大屈曲角度減少、膝蓋骨の動き低下

関節変形:荷重のアンバランスによるO脚、X脚の変形の確認

炎症:水腫貯留による腫れ、発赤、痛み、熱感の出現

筋力低下:炎症反応による膝周囲の筋肉の不使用による萎縮

この5つの症状について焦点を当てていきたいと思います。

変形性膝関節症の症状として主に発症しやすく、気付きやすいものを挙げてみました。

これらについて一つずつ見ていきましょう!

関節変形

画像変形性膝関節症前回でも話したことでもありますが、変形性膝関節症にはO脚とX脚の2種類があり、日本人の90%は一次性で生活・職業背景などからが原因として発症しやすいということでした。

ではどうやって進行していくのでしょうか?

体重というのは人間が地球で生きている限り一生ついていくものであり、関節に負荷がかかるのは避けられません。この負荷線が大腿骨外側顆または腓骨頭を通って走るときX脚がみられ、負荷線が大腿骨内側顆またはその内側を通るときO脚ということになります。

前回、特徴として説明した文章です。

この説明で言いたいことは、膝関節の内側や外側に体重が偏って繰り返された場合にO脚なりX脚なりに進行してしまうという意味になります。

この地球に重力という存在があるかぎりは一生付きまとい、体重というものが自身に存在するわけです。この体重が重ければ重いほど関節にかかるストレスは増え、変形性関節症を発症しやすいのです。

では、日本人に多いO脚について説明していきましょう!

O脚の原因

そもそも膝関節は生理的外反という形をとっており、それが崩れたときに変形性膝関節症と診断されます。

生理的外反とは、大腿骨と脛骨の長軸のなす角が元々外側に5~10°の傾きを持っており、軽いX脚をしていることを言います。この生理的外反が存在することで膝関節が床に対して平行になり、接触面が均等になって痛み・変形などがなく歩けるのです。

この角度が極端に増えていった場合をX脚、減っていった場合をO脚といいます。

O脚は膝関節の不安定を背景としたLateral thrust(外側動揺性)が、荷重した際にかかる力が集中することで発症しやすいと考えられています。

Lateral thrust(外側動揺性)とは、歩行した際などにおいて体重をかけて踏み込んだ時に膝関節が外側へ強くずれてしまう現象を言います。これには膝関節の外側に関わる靭帯が伸びて機能しなかったり、筋肉の不全によって起こることが主になります。

これが膝関節のO脚を作り出す引き金となることが考えられます。

O脚の骨形状の特徴

O脚の骨形状としての特徴として以下のものが挙げられます。

①ももの骨である大腿骨が中央の部分から外に弯曲していく。

②すねの骨である脛骨の関節面の中心が脛骨の中央部分より内側に位置する。

脛骨の身体から遠い部分は近い部分にたいして内巻きに捻じれている。

脛骨中枢(関節面)の内の反りが強い

O脚の特徴としてはこれらが挙げられ、骨の形、身体の重心が大腿骨と脛骨の内側を通ることを指します。

これらが強くなるほどLateral thrust(外側動揺性)も同じように強くなって変形の進行に拍車をかけていくのです。

O脚の病変が進行すれば膝関節が曲がってO脚の変形が強くなり、膝関節の内側の関節面での接触部分が後ろの方へ偏るため脛骨は大腿骨に対し外に捻じれた変形をします。

O脚の人の場合は片足立ちをさせるとひざ下の骨である脛骨が外側へ倒れて身体を支えようとするため、側方動揺性が加わり全体重を片足で支持するのでさらに変形を助長します。

このように変形というのは現在進行形で進行していき、後々に様々な症状が現れるのです。

膝周囲の骨について知りたい方はこちらからどうぞ!
理学療子
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膝の痛みについて

画像

変形性膝関節症の症状として次に気になるのは痛みについてですね。

変形性膝関節症の初期段階としては、最初から痛みが強いわけではありません。

多くの場合は動き始めに痛みの訴えがありますが、その後休んで安静にしていれば痛みが引いていきます。

しかし、次第に歩行時や立ち続けている時間が痛くなり荷重痛がみられ、今度は安静にしていても痛みが引かない安静時痛というものに変わっていきます。この時、痛い部位は膝の内側を示す人が多いです。

また、階段昇降時、坂道など膝の屈伸が反復されやすい運動をした際にみられる痛みの訴えは膝蓋大腿関節に病変を持っていることが多く、膝のお皿である膝蓋骨周囲、膝の前面から前内側にかけて痛みがみられます。

そのため、膝関節の内側、膝蓋骨周囲を押して圧をかける様にすると痛みが引き起こされます。自分では押さないようにしましょう!

痛みの由来を少し簡単に下記にまとめてみました

痛みの由来 原因
筋肉由来の痛み 関節炎に伴う痛みを回避するための防御反応
関節周囲軟部組織由来の痛み 関節炎による炎症波及による線維化、痛みによる関節可動域制限での拘縮

このように痛みの原因というのは単純に関節の問題だけでなく筋肉だったりその他の組織による影響もあります。

筋肉の場合は主に筋肉の血行不良によるものが多く、血液循環が悪くなって特定の部位に痛みが引き起こされることもあります。

そのため、関節以外にも筋肉を押すと痛みの反応が見られます。皆さん押さないようにしましょう!

膝関節可動域制限について

画像膝の可動域制限

膝関節の可動域制限は、変形性膝関節症においては屈伸の最大可動域を制限して痛みも伴う場合が多いです。

さきほど関節変形の項目でも説明しましたが、関節変形に伴って大腿骨・脛骨ともに異常な捻じれが発生します。それが膝関節の動きにも悪影響を及ぼし、完全に伸ばすもしくは曲げるときの大腿骨・脛骨の正常の捻じれの不良起こして運動に制限を生じさせるのです。

これによって、引き起こされるのが膝関節の構造・骨構造・靭帯の動きのコントロールの破綻です。

変形性膝関節症の初期段階では可動域制限はわずかに正座が制限されたり、伸びにくいなと自覚する程度です。

しかし進行するとともに関節の変形・膝関節可動域制限・屈曲拘縮といった症状が著明になってきます。これにより最大屈曲角度が減少、後に膝が伸びないという制限も出現します。

では生活においてどんな実害があるかというと、膝が曲がらないことで主に立ち上がりやしゃがみ、歩行、お風呂などが実害をうけます。膝関節の大きな可動性を必要とする姿勢・動作を下記にまとめてみました。

大きな可動性を必要とする動作・姿勢

起居動作・姿勢:床からの立ち上がり、イスからの立ち上がり、しゃがみ込み、正座、横座り、あぐら、片足立ち、つま先立ち

移動動作:四つ這い、歩行、階段昇降

入浴:浴槽出入り、浴槽内の座り、洗い場での立ち座り

おそらくまだまだあるとは思いますが、とりあえずこんなものでしょうかね。

このように日常生活で膝を大きく曲げたり伸ばしたりする機会は無意識的に行っていることが多いです。

逆に言えば、これらを行った際に膝に痛みがあったり、違和感があったら少し膝の疾患を疑ってもいいとは思います。

膝関節の炎症について

画像膝痛

変形性膝関節症を発症して痛みが強くなったら高確率で起きるのがこの炎症という症状です。

そもそも炎症というのは

腫脹:何らかの異常が発生した場合に起きる膨らみ、腫れ

発赤:異常が発生したことによってできる部位周辺の肌の赤み

痛み:異常が発生した部位の場所を教えてくれる感覚

熱感:異常が発生した部位周辺にできる熱っぽい感覚、触ったときの熱さ

これらが炎症の特徴になります。

腫れて、痛くて、赤く、熱っぽい」という風に覚えればいいと思います。

膝関節でこの炎症が起きる理由として、関節軟骨がすり減ってくることによる危険信号として発生します。

危険信号として膝関節内部では水が溜まってくるのですが、これは膝関節の内部を水で満たそうとすることで水圧で少しでも衝撃を減らそうとする苦肉の策として起きる人間の防御反応です。

炎症が起きることでその部位は今危ないよ、早く治したほうがいいよと教えてくれるのです。

その兆候として、上記の炎症症状が起きると考えられます。

なので、この炎症が起きた際は病院の受診にかかった方がよいという判断になります。

筋力低下について

画像

変形性膝関節症の特徴として筋力低下があります。この筋力低下が原因により膝の形が変わり変形性膝関節症などを来たしてしまいます。

変形性膝関節症の特徴としてみられるのは大腿四頭筋の筋力低下で、特に外側広筋・内側広筋の広筋群が弱くなりやすいのが多いです。

大腿四頭筋は膝を伸ばす強力な筋肉ですが、筋力低下を起こすことで力が入らなくなり膝が不安定となって関節軟骨を破壊し炎症を引き起こします。

さらに大腿四頭筋の力が落ちることで片足立ちの際に膝がガクッと折れる膝折れ現象により前方への動揺が増して転倒の危険なども生じる。また、関節への負担も増えるので痛みも比例するので力が入らず筋力が落ちるという悪循環が生まれます。

高齢者だとこのようなサイクルが起こると家からでることが少なくなって活動する時間も減ってしまい、余計に筋力低下を起こしてしまいます。これを廃用性筋萎縮ともいいます。

こういった筋力低下により歩行能力低下、生活範囲が狭くなり他者とのコミュニケーションの減少、姿勢不良の要因などに発展していきます。

高齢者では痛みや歩行能力低下が原因で体力が落ちていくのは少なくはないです。そのため筋力強化は必須とも言えます。

筋力低下として大腿四頭筋を代表的として説明しましたが、これはO脚・X脚によって低下する筋肉も変わっていきます。O脚なら内転筋群の筋力低下、X脚なら中殿筋、大殿筋などの筋力低下などそれぞれ違います。

これらの話は専門的な内容に近くなってしまうので省きます。

まとめ

佳吾
佳吾
お疲れ様でした!ここまで読んでいただきありがとうございました!

なるほどー、結局それぞれがなんとなく繋がって症状を引き起こすというのはなんとなく分かりました!
理学療子
理学療子

佳吾
佳吾
そうですね。疾患というのは一つのことから起きるというよりもそれぞれが相互作用しあって症状を強くしたりします。

放置すればするほどそれぞれが悪くなって症状をさらに悪化させるんですね!それは大変です!
理学療子
理学療子

佳吾
佳吾
ですので、痛みは我慢せずに病院へ受診したほうがいいのです。放置して我慢してもいいことはないので!

そうですね!今回も色々学びました!つぎは何をテーマにするんですか?
理学療子
理学療子

佳吾
佳吾
少し難しい話になるかもしれませんがどんな病態かというのを少し突っ込んでいきたいと思います。膝の症状が出るまでのメカニズムっていうやつですねー

なるほどー症状がでるまでの道のりってところですかね?分かりました!
理学療子
理学療子

佳吾
佳吾
というわけで今回はここまで!お疲れ様でした!

次回の病態編でお会いしましょう!
理学療子
理学療子

膝の可動域制限

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