体幹と下半身をつなぐ部分となる身体の部位、股関節。
この股関節は人体の中でも大きな関節の一つとして知られています。
今回はそんな股関節の解剖と機能について簡単に紹介していきましょう!
などなどの疑問を解消していく記事となっていますので是非読んでいってくれれば幸いです!
股関節がどのように身体に働いているか?
日常にどんな影響をもたらしているのか?
それらも踏まえて解説していきたいと思います。
股関節の動きや構成する骨について知りたい方はこちらの記事も参考にどうぞ!
人間の股関節は立位と歩行を目的としてできている関節!
股関節はももの骨である大腿骨の大腿骨頭と骨盤の寛骨のくぼみである寛骨臼で構成されています。
股関節は寛骨臼に深くはまっており(その深さは球体の2/3)、餅つきの臼のような形をしていることから臼状関節ともいわれています。
さらに、ただ関節としてはまっているだけでは不安定なため股関節周囲は靭帯によって動きすぎないように運動を制限しているのです。
また、股関節は立位や歩行を目的としても優れている構造をしており、運動時の安定性にはかなり優れています。
股関節の構造としては少し隙間が出来ているのが特徴的なのですが、その股関節の隙間は凸面(大腿骨)と凹面(寛骨)が対称的で、全体の隙間はほぼ均等の空きとなっているという芸術的なものです。
そんな構造のため、上半身の分も体重を支えることが可能となっており、股関節の入りが深くなることで、高い支持性を獲得できるかつ骨に対するストレスも通常は偏りが発生しないようになっているのです。
このようにして、股関節は非常に強い構造となっており、立っているときや歩いている際にも余計な運動が発生しないように筋肉以外にも強力な靭帯によって運動を制限して安定して行えるように仕組まれています。
股関節の深さは高い支持性、安定性を得るためのものなんですね!
荷重分散と腰に力を伝える股関節の機能性
股関節はただ安定性を持っているだけでなく、機能性も備えています。
関節のソケットが深いため、自然と安定性も増しますがその深さが荷重を分散させ、力の伝達も効率的に行うことが可能です。
まず股関節の安定性についてですが、これは関節を包む袋となる関節包とそれを補強するための靭帯によって構成されています。
腸骨大腿靭帯
恥骨大腿靭帯
坐骨大腿靭帯
上記の3つの靭帯が股関節の可動域を制限し、関節の安定化に貢献するように出来ています。
股関節の靭帯となる腸骨大腿靭帯・恥骨大腿靭帯・坐骨大腿靭帯はそれぞれが大きく太い構造となっており、早々簡単には切れないほどです。
だからこそ股関節という大きな関節が動きすぎないようにコントロールするのにこれらの靭帯が大いに活躍します。
では、靭帯が動きの限界に達するとどうなるでしょうか?
先ほども言いましたが、靭帯は切れません。
代わりにそれ以上加わった力は仙腸関節と腰椎に伝達されることになります。
具体的に言うと、体重や歩いたりした時の負荷は腰椎の5番目(第5腰椎)にて支えられ、その力は骨盤の一部である仙骨の基底部や腸骨、寛骨へと流れて吸収されます。
このように力は股関節から腰の方へ流れていき、股関節への荷重の分散を果たすことが可能となるのです。
そして、ただ骨で体重を受け止めるだけでなく、腸腰筋や深層外旋6筋、大殿筋などといった股関節周囲の筋肉によって歩くための推進剤としてエネルギーに変換して効率的に運動できるようにしていくという画期的な仕組みが完成するのです。
股関節で受けた力は余すことなく、骨盤と腰で受け止め、筋肉に進むためのエネルギーとして与えることで疲労を減らして歩けるのですね!
理解しました!
【結論】股関節は荷重分散や力の伝達に働く実は機能的な関節!
お疲れ様でした!
股関節は機能的な関節でもあるということを理解してもらえたでしょうか?
股関節は大きいだけでただ身体を支えているだけではないんですね!
そうですね。股関節は身体の中心に近いため、支えとしても重要ですが実は身体全体に力を流す働きも持っています。
それによって股関節の負担も減り、エコロジーに歩いたり、走ったりなどができるんですね!
はい!股関節自体の働きというよりも身体全体の機能として考えてもらってもよいかなと私は思います。
股関節の機能・・・
地味に大事な話なんですね・・・
というわけで今回はここまで!
また次回お会いしましょう!
参考文献
著者/日野原重明.系統看護学講座専門基礎Ⅰ人体の構造と機能[Ⅰ]解剖生理学第6版.医学書院.2004.64P
著者/Rene Cailliet,著訳/荻島秀男.図説運動器の機能解剖.医歯薬出版株式会社.2003.180P
編著/中村隆一,著者/齋藤宏,長崎浩.臨床運動学第3版.医歯薬出版株式会社.2008.237-238P
原著/D・A・Neumann,監訳/嶋田智明,平田総一郎.筋骨格系のキネシオロジー.医歯薬出版株式会社.2010.407P
編著/工藤慎太郎.運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学.医学書院.2014.109P
著者/荒木秀明.非特異的腰痛の運動療法ー症状にあわせた実践的アプローチ.医学書院.2014.31-33P
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