腰椎椎間板ヘルニアにおいて不安なのが手術・治療方法。
皆さんは手術や薬以外にどんな治療をするか知っていますか?
今回はそんな腰椎椎間板ヘルニアの治療法とリハビリの内容について紹介していきます!
- 腰椎椎間板ヘルニアの治療法を事前に知りたい
- どんなことを行っていくのか何も分からないから不安だ
- 治療法の内容について関心がある
などなど、腰椎椎間板ヘルニアの治療方法に興味がある方はぜひ参考に見てください!

腰椎椎間板ヘルニアの病態や診断内容を知りたい方はこちらの記事も参考にどうぞ!




ここからは治療方法やリハビリ・手術について説明していきますね!


腰椎椎間板ヘルニアの様々な治療方法
腰椎椎間板ヘルニアでは薬や手術だけでなく、色々な治療方法が存在します。
- 保存療法:患者指導・安静・薬物・ブロック療法・生活指導・運動療法・物理療法
- 手術療法:髄核摘出・脊椎固定・椎間板切除
患者さんの腰椎椎間板ヘルニアの状態によって治療法はもちろんですが変化していきます。今回は上記のような内容について触れて、皆さんに理解してい頂きたいです。



症状の強さや時期によって異なるので、全ての治療をするわけではないですよ!
手術による侵襲をしないで治療していく保存療法
保存療法とは、薬や運動などといった手術などをしないで疾患の治療にあたる方法となります。
風邪やインフルエンザの風邪薬処方、痛み止めなどが処方されるのは全てこの保存療法の種類です。
腰椎椎間板ヘルニアでは通常、ほとんどの患者が3か月以内に保存療法で軽快すると言われており、椎間板ヘルニアの大半は3ヶ月以内で消失するということが記載されています。( 標準整形外科学 第11版 )
そのため、症状の状態や経過を観察しながら保存療法を行い治療していくことの方が多いです。
この項目では主に保存療法の種類について紹介していきましょう。
心理的不安や腰への負担を避けるための患者指導


患者さんの治療として含まれるのは何も薬や手術だけでなく、患者さんの生活スタイルや習慣の改善、将来への不安を取り除くことも立派な治療となります。
腰椎椎間板ヘルニアは何も発症したら永遠と続くわけではありません。医師やセラピストは患者さんの痛みや痺れなおからくる恐怖や将来の不安を取り除いていくために、腰椎椎間板ヘルニアの予後は良好ということを説明する必要があります。
そして、ただ説明するだけでなく患者さんが積極的に疾患に対して対処するためのコミュニケーションや生活指導を重ねていきます。
生活指導においては、腰への負担を避ける目的として行い、日常生活での注意点について指導します。
腰椎椎間板ヘルニア自体は自然発生することはほとんどなく、生活習慣や運動内容、職業内容によって引き起こされやすいです。
そのため、日頃から姿勢を丸くしてずっと座っている人や屈んで物を持ち上げたりする機会が多い人はそういう部分ににも注意して改善するように指導していきます。
また、可能ならば別の業務に移行してもらったり、仕事量の調節なども患者さん自身に行ってもらうようお願いすることもあります。
部署異動とかも考えなきゃいけないこともあるんですねー
仕事への影響はなかなか難しいです・・・




そうですね。なので症状の程度や仕事での現在の影響を細かく聴いてあたります。
そうそう簡単に役割変更はできないはずなので動作練習や生活指導を中心にしていくことが多いですね。
もちろん症状が許せば職場復帰なども可能ですよ!
急性期に重要とされる安静指導


腰椎椎間板ヘルニアの急性期では痛みも強く、正直無理をして運動したり仕事をするのはおすすめできません。
そのため、患者さんの痛みの程度に応じて活動量をコントロールするのが望ましく、痛みの強さによって「安静」という行動をしなければいけないです。
治療手段として「寝ていなさい」とか「休めなさい」というわけではなく。痛みの結果休まらざる得ないということとなります。
なので、ずっと休んでいるということではなく、なるべく早く通常の生活に戻ることが結果的に良いということを説明していくことが重要です。
薬・湿布などで対処する薬物療法


薬物療法は特に発症初期となる急性期においては有効的です。
この急性期では薬物療法による鎮痛処置が行われ、解熱鎮痛剤や非ステロイド性抗炎症薬の投与、あるいは筋弛緩薬などを処方されることがあります。
ある意味最も病院で行われている保存療法だと思われます。
薬の内容は急性期・慢性期において内容が若干変化しますが、慢性期の場合は抗うつ薬やトランキライザーなどといった患者さんの高まった不安を軽減する薬を利用する場合もあります。
腰椎椎間板ヘルニアに抗うつ薬を使うのは何でですか?関係あるんですか?




腰椎椎間板ヘルニアだけに限りませんが、長期的な痛みは精神的にも負担が増していきます。そのため痛みから不安症状が強くなって心因性による痛みの増強も考えられるので、患者さんの状態をみて医師は処方していることもありますね。
痛みによって色々将来的に不安が強くなってきてしまいますもんね・・・
痛みは奥が深いです・・・


痛みや症状が強い場合に行われるブロック療法


痛みなどが強く生活に支障が大きく出て場合などに行われるのがこのブロック療法です。いわゆるブロック注射ですね。
腰椎椎間板ヘルニアの激痛には特にブロック注射を行い、硬膜外ブロック・神経ブロックなどを行って患者さんの苦痛を和らげる目的として施行します。
もし、このブロック注射で改善が認められなかった場合、運動なども難しいとなるので手術の可能性も考えられることがあります。
体幹を安定させる装具療法


腰椎椎間板ヘルニアの症状が軽減し、痛みも強さが減ってきたら画像のような軟性コルセットを処方します。
腰に対するコルセットにも種類はありますが、主に病院で処方されるのが画像のような軟性コルセットですね。
コルセットは腰部の支持性を補強して、腰部の負担を軽減することが目的となります。腰部疾患の患者さんは体幹。腰を筋肉で支える筋力が低下していることが多いため、筋力が回復する間はコルセットを装着して負担を減らしています。
コルセットを四六時中装着している患者さんも結構いますが、その使用方法は間違いです。
コルセットは筋肉の代わりとなるため、コルセットを多用していると逆に筋力がますます落ちてコルセットなしではいられない状態になってしまいます。
なので、かならず医師に装着するタイミングや外すタイミングの相談をしましょう。



コルセットって付けてれば良くなるんじゃないんですか!?
初めて知りました!


いえいえ、コルセットはあくまで体幹が弱いうちだけ装着するのが望ましい装具です。
楽だからといってコルセットの使い過ぎは逆に筋力低下をまねくので注意しましょう!
脊柱の支持性強化を患者自身が行う体操療法


体操療法とは文字通り体操を患者自身に行ってもらい、ストレッチや関節可動域増大、筋力向上などを目指していく治療です。
腰椎椎間板ヘルニでは痛みが軽快してから行い、背筋や腹筋、必要ならば股関節や膝関節の筋力強化も図っていき腰・背骨の支えを強くしていきます。
また、そのほかの目的としても硬くなった筋肉の血流量の増加や日常動作の正しい行い方なども体操として含む場合もあります。
体操療法で重要なのは筋力の強さや柔軟性を得るのももちろんですが、一番は継続力です。一度きりの体操では効果がほとんどないので、患者さん自身がちゃんと継続していけるかが大切になる治療となりますね。
電気や温熱、牽引などを行う物理療法


物理療法とは温熱や電気、牽引、水治療など様々な方法があります。
主に腰椎椎間板ヘルニアで行うのは腰を機械で引っ張る牽引療法や電気を当てて筋肉の痛みを緩和する電気療法、温熱療法となるでしょう。
使用する機器は病院によって揃っているものが異なるので、必ずこれを行うというのはありません。ただ、大体の病院は上記のような内容を行うことが多いと思います。
リハビリテーションと称される運動療法


外来での保存療法として、手術後の回復手段としてよく行われる治療がこの運動療法となります。
運動療法では理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などが関わってきますが、腰椎椎間板ヘルニアでは主に理学療法士が関係してきます。
病院のリハビリテーション科があれば運動療法を行え、主に筋力強化や関節可動域拡大、正しい動作(歩行や立ち上がりなど)といったことから様々の訓練をします。
物理療法や薬物療法だけで原因が解消されない場合に行われることもしばしばです。
腰椎椎間板ヘルニアでは腰・足の運動をメインに動作練習、生活でのコントロール方法なども指導します。



理学療法について知りたい方はこちらの記事も参考にどうぞ!


重症の腰椎椎間板ヘルニアで行う手術療法
腰椎椎間板ヘルニアで行う手術条件は限定されており、重症な場合に行います。
- 馬尾障害を要する症例
- 運動麻痺が急に進行し、痛みも耐えられないくらいの状態が続いた場合
- 1~3ヶ月の保存療法が効かなかった場合(患者との相談をして納得時)
上記のような場合に手術を行うことがあります。
この手術方法にも複数あり、この項目では手術方法について簡単に紹介していきます!
椎間板内へ管を挿入する経皮的髄核摘出術
主に侵襲が少なく、傷も小さく抑えられる手術です。
この手術では髄核を摘出する際に背中を大きく開かなくていいのが特徴となります。動画でも主に内視鏡で確認しながら行ったりもしていますね。
内視鏡下などで椎間板内に管を刺していき、刺した管を通して髄核組織を摘出していく手術で、成功率は55~70%とみられています。
一般的に行われる後方椎間板切除術
世界で最も行われており、約90%の有効な治療成績が期待できる確立された手術手技です。(2011年調べ)
この手技は椎弓を部分的に切って圧迫されている神経根を慎重に傷つけないように配慮し、ヘルニア腫瘤を取り除くのが特徴となります。
この手術は1938年にLOVEという医師が黄色靭帯を切除しただけでヘルニア腫瘤を摘出しに成功したことからベースとして行われるようになり「LOVE法」という名前でも普及しました。現在ではヘルニアを切除する方法としてリスクが少ないことからも行われています。
主に神経根の圧迫を解放するために椎弓を切除するのが目的となります。
脊柱の安定性を高める脊椎固定術
ヘルニアが存在する椎体の間が不安定になり、今後も不安定が強くなっていくと考えられるような症例に行うのがこの脊椎固定術です。
主な目的は脊椎の固定をすることによりヘルニア周囲の腰椎の安定性を引き上げることとなります。後方の椎間板を切除して神経根の圧迫を解放した後、同時に金属のプレート・ボルトを使って固定します。
さきほどの椎弓切除術と違うのは、脊椎固定の場合は椎弓を広く切除して椎間板を完全に摘出するのが特徴となります。
また、別の方法として腸骨片を椎体間に移植する方法もありますね。
腸骨について知りたい方はこちらの記事も参考にどうぞ!




【結論】腰椎椎間板ヘルニアは自己管理による対策も必要!


お疲れ様でした!
最後まで読んでいただきありがとうございます!
薬や機械、装具に運動など様々な治療を行うんですね!




そうですね。ただ、大切なのは薬やコルセットに頼りすぎず、自分の体をしっかり自分でも管理するということです。
と、言いますと・・?




腰痛疾患においては生活習慣や仕事内容などによって発症しやすかったりもします。なので、腰に負担がかかりにくいように姿勢を変えたり、運動したりというのが重要にもなってくるんです。



ただ寝ていたり、家に引きこもっていても改善しないということですね!


そういうことなので、皆さんもしっかり短い時間でもいいので散歩に外出したりなども心掛けてみてはいかがでしょうか?



というわけで今回はここまで!また次回お会いできるのを楽しみにしております!


お疲れ様でした!
腰椎椎間板ヘルニアの治療ってどんなことをするの?の参考文献
編集/柳澤健.理学療法学ゴールド・マスター・テキスト2 運動療法学.メジカルビュー社.2011. 325P.
監修/内田淳正,編集/中村利孝,松野丈夫,井樋栄二,馬場久敏.標準整形外科学 第11版.医学書院.2011. 480-481,787P.
監修/落合慈之,編集/稲川利光.リハビリテーションビジュアルブック.学研メディカル秀潤社.2011. 105-106P.
監修/千住秀明,編集/中山彰一.-理学療法学テキストⅦ-運動器疾患の理学療法.九州神陵文庫.2010. 151P.
監修/青木隆明,執筆/林典雄.改訂第2版 運動療法のための機能解剖学的触診技術 下肢・体幹.メジカルビュー社.2013. 307P.
編著/整形外科リハビリテーション学会.改訂第2版 関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーションー上肢・体幹.メジカルビュー社.2014. 316P.
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