腰をひねったり、かがみ続けていると生じてくる腰痛。
腰痛には種類と原因があり、痛みの部位や感覚も異なってきます。
今回は腰痛についての種類と原因について紹介していきたいと思います!
- 自分の腰痛の原因を知りたい
- 腰痛について学びたい
- 腰痛対策の参考にしたい
上記のような方はぜひ見て参考にして頂けたら幸いです!
非特異的腰痛の経過によって種類は変化する
前回紹介した記事では腰痛の日本における割合を紹介しました。
その時に書きました非特異的腰痛を中心に本記事では話していきます。
非特異的腰痛は、重篤な基礎疾患を有しておらず画像診断とも一致しないものと紹介しました。
非特異的腰痛は腰痛全体の85%を占めており、湿布や薬で対応させられることが多いです。
全体ではこのようなグラフになり、ほとんどが非特異的腰痛といっても過言ではないでしょう。
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それでは腰痛はどんなものがあるのか?
それを見ていきましょう!
ぎっくり腰が有名な急性腰痛
いわゆる腰痛症やぎっくり腰といわれるものが急性腰痛にあたります。発症部位は椎間板性、椎間関節性、筋肉性など様々で、部位によって若干病態は異なります。
ぎっくり腰は日常で最も多い急性腰痛です。ぎっくり腰は重いものを不自然な姿勢や無理な体勢で持ち上げたり、極端に腰をひねったりした時に痛みが強く出現する疾患です。
こういった不意の動作で急に起こることが多いため動くのにどうすれば分からないという人もいます。
重度な例では激痛で全く動けない例もあります。
日本では俗称でぎっくり腰と言いますが海外では「魔女の一撃」とも呼ばれています。
急性腰痛の経過としては、ほとんどが一週間以内、長くとも2~3ヶ月以内に痛みが軽くなったり無くなります。
急性腰痛の約50~60%は二週間、80~90%は3~4ヶ月で緩解すると言われていますが、実際は約25%の人がそのまま慢性化し腰痛持ちになる可能性もあります。
ぎっくり腰の発生機序、メカニズムは腰・背中の筋肉の損傷や捻挫などと考えられていますが、上記の経過から見ても多くは慢性化せずに比較的短期間で回復することが多い疾患です。
ただ、だからといって無理をしたり放置するのは危険であることは否めないでしょう。
私も無理しないように気を付けないと!
急性腰痛後に難渋しやすい慢性腰痛
慢性腰痛は、急性腰痛から回復して数ヶ月経過して再発する「慢性再発性腰痛」、急性腰痛から数ヶ月しても痛みが続いたりしている「慢性持続性腰痛」に分かれます。
慢性腰痛は薬や湿布などといった保存療法を行っても良くならない、痛みが残るなどといった状態です。
慢性再発性腰痛はぎっくり腰、つまり急性腰痛を繰り返す癖になっているような状態で、回復したらまた何かのきっかけで再発するといったものとなります。厳密には区切りがあるので単体で見た場合は急性腰痛だと考えられますが、長期的に大きく見ていくと慢性腰痛とも捉えられる特徴があります。
慢性持続性腰痛は、多くの場合治療効果が出ず難渋することが特徴となり、この原因としては精神的ストレスや社会的ストレスなどといった心因性による大きい影響も考えられます。
また、痛みが治まることがないので痛みが痛みを呼ぶという負の連鎖によって症状が強く感じられるようになってしまってうつ病といった気分障害、仕事に支障をもたらし社会復帰が難しくなる就労障害を伴うのが特徴です。
この痛みが強く感じられるようになるのは、実際痛みが強くなっているというよりも「○○をすると痛いんじゃないか?」、「今後この状態から悪化するんじゃないか?」という不安から元々の痛みを脳が強く勘違いをすることからあります。
慢性腰痛の原因は筋肉の機能不全によるものと考えられる筋・筋膜性腰痛、姿勢保持や姿勢変化に伴う姿勢性腰痛の二つが挙げられます。
腰痛の原因となりやすい骨・筋肉・関節
いずれの腰痛でも出てきた言葉である椎間板性、椎間関節性、仙腸関節性、筋・筋膜性腰痛、姿勢性腰痛についてこの項目では紹介していきたいと思います!
髄核が神経圧迫する椎間板性の腰痛
椎間板は背骨を構成する椎骨と椎骨の間にあるクッションのような組織をいいます。この椎間板は円柱状になっていて軟骨と似たような構造を持っているのですが、感覚を司る神経が存在しないため椎間板に問題があっても腰痛を訴える人は少ないです。
ではなぜ椎間板が由来になる可能性があるのか?
椎間板は年齢を重ねたり外傷を伴ったりすることなどでヒビが入って亀裂したり、椎間板の変性がみられた場合に中に存在する髄核という組織が神経に触って痛みを出現させるからなのです。
この椎間板に問題がでる条件として考えられるのが椎間板にかかる内圧というものです。
この椎間板内圧は姿勢により変化していきます。下記のグラフにまとめました!
これは立位を100%とした場合のグラフです。立位に比べて背臥位、側臥位などの仰向け・横向きの寝ている状態ではかなり少ない数値となっており、背臥位25%、側臥位75%となっています。
一方、立位でも前屈して体を曲げた場合は150%、さらに荷物を持ったまま同じ運動をすると220%という高い数値がみられて2倍近くの負担が椎間板にかかっているのが伺えますね。
しかし、立位以上に負担がかかっているのが座位でした。通常の座っている座位の状態だと140%、座ったまま体を曲げる前屈では185%、さらに荷物を持つのを加えると275%と立位よりどれも上回った数値となります。
この結果からも必ずしも腰痛持ちの(特に椎間板由来)人には、座ったままが決して安静・安心ではないということが言えますね。
背骨の過剰な運動による椎間関節性の腰痛
椎間関節は椎骨と椎骨をつなぐ間の関節です。椎間板をつなぐ部分ではありません。
この椎間関節由来の腰痛は、脊椎の過剰な運動や関節の捻挫により椎間関節が損傷を受けた場合に生じます。
外傷や変性した場合などではこの椎間関節の支えが弱くなり、関節のぐらつきが強くなることで近くにある靭帯や関節を包む膜である関節包を感覚である知覚神経を刺激して腰痛を引き起こすのです。
一般に椎間関節性の腰痛は回復までに3~4週間かかると言われています。
靭帯の過剰負荷による仙腸関節由来の腰痛
仙腸関節は骨盤にの中心となる仙骨と両翼となる腸骨とで出来ています。
仙腸関節は負荷・衝撃を伝達をしてくれる機能を持っていますが、仙腸関節への繰り返されるストレスによって仙腸関節自体が不安定になってしまい、靭帯への過剰な負担が生じてしまうのが原因です。
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仙腸関節性の腰痛の特徴としては、上後腸骨棘周辺を押した時に感じる痛みである圧痛となります。
仙腸関節は特に立ったままの状態からの前屈作業や座ったままでの作業で負担が大きくかかりやすいです。また、女性においては出産後で原因となることも場合としてみられます。
姿勢が原因となる筋・筋膜性腰痛、姿勢性腰痛症
腰痛の中で最も多いのではないかと考えられるのがこの筋・筋膜性腰痛と姿勢性腰痛です。この筋・筋膜性腰痛と姿勢性腰痛は非特異的腰痛の大部分を占める腰痛となります。
非特異的腰痛のうち、筋・筋膜といった関節ではない組織の緊張、硬さが強くなってしまい、その部分だけに限って押すとたびたび痛いと感じる慢性腰痛状態を筋・筋膜性腰痛といいます。
その原因としては腰・背中の筋・筋膜の疲れ、伸ばしすぎといった無理な使い過ぎ(over use)が考えられます。
- 長時間にわたる不良姿勢
- 無理な前屈などの繰り返し
- 腰に力が入りやすい作業
なぜこのようなことが起きるのかメカニズムを言いますと
長期間にわたる悪い姿勢や繰り返される筋肉へのストレスによって腰・背中の筋肉に疲労がたまったりや血流が悪くなることが原因となります。
これは最初は鈍い痛みで強く感じないのですが、状態が長引くと強い痛みになっていく可能性も否めません。
姿勢性腰痛も筋・筋膜性腰痛と同じ分類になりますが、立っている姿勢での腰の位置や歪んで反り腰になったり丸くなったりしてストレスがたまり重だるさ・痛みを訴えとする状態です。
この原因としても反り腰にさせてしまう腸腰筋や大腿直筋という筋肉の硬さ、体を前屈した際に骨盤を前へと倒すのを制限してしまうハムストリングスの硬さも関係してきます。
また、腹筋群が弱くなることでも腰は反り腰へとなり腰痛を強めることもあります。
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筋・筋膜性腰痛と姿勢性腰痛に共通するのは時間をかけて慢性腰痛となり、不良姿勢や無理な反復ストレスをかけていることが多いです。
私も腰痛疾患を色々な方を持ちましたが、デスクワークで10時間以上働いているSEや介助などの肉体労働である介護士さんなど様々な環境の人がこれにあたりました。
これらの症状としての特徴は圧痛や特定の条件下での腰痛ですが、他の腰痛疾患との違いとしては神経刺激症状や痺れといった神経麻痺症状がないのが特徴的です。
なので、痛みだけで痺れなどの神経症状がない場合は筋・筋膜性腰痛や姿勢性腰痛を疑ってもよいでしょう!
【結論】腰痛治療のためにはまず整形外科でしっかり診断を!
今回は少し難しい話だと思いますが少しでも腰痛に関して理解してくれればうれしいです!
お昼休憩に少し立っていたり散歩したりなど短い時間でもよいのでリフレッシュも含めて行えればよいでしょう。
皆さんも運動不足や姿勢などには気を付けましょう!
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