今回は何がテーマになりますか?
お医者さんって病気によって何されるか分かりませんもんねー
今回は変形性膝関節症ではどのようなことを行うか簡単に説明したいと思います。
医師の診断方法
医師(またはドクター)は変形性膝関節症の診断として様々な所見を組み合わせます。
臨床症状に加えて年齢や関節内部の液体所見、画像による所見などを組み合わせて総合的に診断がされます。
さて、ではどんなことを診察の時に行うのか?
それを一つ一つ説明していきましょう!
問診
膝の痛みを患者さんが訴える時、医師は色んな可能性を考えています。
・スポーツによるケガなのか?
・転んで骨折して痛いのか?
・生活上の運動などで痛みがでたのか?
などなど仮定しながら診察を考えていきます。
その際に一番必要なのが問診になります。
問診では患者さんがどういう過程でそのような痛みが出現したのかを順序立てて聞いていきます。
基本的な問診内容としては
①いつから痛みが出始めたのか? ②急に痛くなったのか?もしくは徐々に痛くなったのか? ③どのくらいの期間痛いのか? ④どんな動きをしたときに痛いのか? ⑤どのようなときに痛いのか?(時間・はじめからか・疲れてくるからか) ⑥転んだり、事故にあったりなどの外傷はしなかったか? ⑦膝は腫れなかったか? ⑧特別な動作やイベントはなかったか? |
このように患者さんの症状の訴えに対して「いつから、どのように、どんなときに」を具体的に聞いて膝の状態を把握してどの疾患を疑うべきかを判断していきます。
そのためには、一連の症状がでるまでの流れを聞くことが大切になります。
この流れが合わなかったり、矛盾が生じると治療方針に誤りが生じます。
なので医師に問診で聞かれた際にはストーリー仕立てで最初から今までに至る流れを説明するのが大切になります。
また、患者さんは皆仕事やスポーツ、趣味、家族背景が違いますよね?
なので上記の基本的な問診に加えて・・・
①職業について ・デスクワーク中心か?立ち仕事か?重労働か? ・パートもしくはフルタイムなのか? ・どのくらいの時間働いているのか?週何日休みか? ②趣味、スポーツについて ・競技種目はなにか? ・どのくらいの頻度で行っているのか? ・活動量は多いのか? ③家族背景について ・家族の人数と住まいの状態、家での役割は? ・介護してくれる人はいるのか? ・ペットはいるのか? |
などといった生活、社会的状況によって合わせて問診していきます。
これらから考えられる疾患や、万が一悪化もしくは手術になった際の家族内の把握をしなければならないので問診で情報を得ていきます。
これは変形性膝関節症だけでなく、色々な膝の疾患でも問診される内容になりますので、覚えておいてもいいと思います。
それでは、変形性膝関節症ではどのような診断を他にもしていくのでしょうか?
膝関節の関節液所見
関節液所見では、膝関節の関節液の状態を確認するのに行います。
以前、変形性膝関節症の症状として関節腫脹・炎症などが出現するとブログで説明しました。
その症状の度合いから重症度を判断していく材料が関節液所見になります。
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変形性膝関節症では症状として関節腫脹がありますが、これが関節内の腫脹であるのか、もしくは関節外の腫脹であるのかを判別する必要があります。
もしこれが関節内の液体の溜まりすぎの場合、膝蓋跳動が陽性となります。
一方、関節腫脹の原因が滑膜の肥厚や増殖によるもので関節液の溜まりすぎが原因でない場合は膝蓋跳動は陰性であり、関節全体の腫脹として感じられることが考えられます。
このようにして膝蓋骨の動きを確認して腫脹の状態を見ていきますが、これだけでは判断できませんので、膝関節に注射を直接を行うことで関節液の量や色を確認します。
正常→淡い黄色で透明、糸をひくように粘り気がある。
異常→軽度の混濁:滑膜炎の活動性が増加
赤血球の混在:骨・軟骨破壊
関節注射によって上記の所見によって炎症の程度を把握、鑑別診断を行います。
これにより変形性膝関節症の重症度を鑑別する判断材料とします。
医師による画像診断
さて、ここまでは問診や関節液所見により炎症の程度や重症度の把握をある程度考えられました。
次に必要なのが画像による診断となります。
変形性膝関節症でよく用いられる画像はX線画像・MRI画像になります。
この二つの画像によって何を発見していくのかを説明していきましょう!
X線画像
X線画像では通常、正面・側面・膝蓋骨軸写にて判断されます。
主にX線画像の目的は
X線画像の意義:膝痛の今後の進行予測を反映、手術適応はX線画像の情報を参考に考える
X線画像の撮影:関節が硬いのか?柔らかいのか?炎症や痛みの存在、荷重制限の必要性を考える。関節裂隙の狭小化、骨棘の存在を確認する。膝の変形具合を画像で確認する。
このようにして、X線画像の目的と撮影による確認が行われます。
X線画像で膝の変形具合を確認しますが主に
①O脚、X脚、大腿骨の捻じれ ②膝蓋骨の傾斜度合い・亜脱臼 ③関節の緩み、動揺、ずれの発生 |
これらを見て確認します。
この際、正面像では大腿骨と脛骨の角度を数値として出し、立った状態において180°以上であればO脚、160°以下であればX脚と判断されます。これをFTAとも呼びます。
これにより、X線画像では関節裂隙の狭小化、骨棘形成、骨硬化像、嚢胞形成などを認めることができます。
MRI画像
MRI画像では、X線画像により映らない所見を確認することが可能です。
主に軟部組織である筋肉や靭帯、滑膜などといった骨以外の状態を明確に確認したいときに利用します。
そのため、軟部組織の病態の把握、滑膜炎の程度を判断するのに有用と言われています。
また、X線画像ではとらえられない軟骨下骨や骨髄の異常所見を見出すのに用いられたり
急性の痛みや水腫、ロッキングなどが症状としてみられる場合は出血や半月板損傷など変形性膝関節症の初期症状が疑われるため
早期診断・鑑別診断のためにも必要不可欠の情報となります。
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まとめ
最後までお読みいただきありがとうございました!
問診・画像・関節液所見と色々行うんですね!
そのため色々な診断をすることで疾患を見つけるのですよ!
膝の悪さをする犯人を探して捕まえるのに似てます!
たった一つの犯人とトリックを暴くところは探偵のようですね。
なので、痛みなどが気になるならば病院へ受診した方がよいと思います。
もっと時間がかかるのかと思ってました。
さて、次回は理学療法士が行う評価についてお話していこうと思います!
理学療法士が何を患者さんに行うのかをみていきたいと思います!
多分一般の方はあまり馴染みないかもしれませんねー
それではまた次回会いましょう!
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