よく話題になる変形性膝関節症について話していきたいと思います。
足のO脚とか膝痛とかの話ですね!
変形性膝関節症についての概要
さて、療子さんや読者の皆様が飽きないように気を付けて書いていこうとは思います。
その前に、今回話す順番として
①変形性膝関節症の特徴
②発症年齢や要因
③症状
について話していきたいと思います。
変形性膝関節症がなぜ起きるのか?変形するとどんな弊害が出るのか?どんな人がなりやすいのか?
これらを簡単に説明していきます。
変形性膝関節症の特徴
まず変形性膝関節症のことについて知りましょう。
そもそも変形性膝関節症に定義があります。その内容は
関節軟骨の進行性の変性病変を主体とした膝関節の退行性変化
変形性膝関節症の診断と治療.理学療法科学20より引用
と言われています。
つまり膝の関節軟骨に何らかの悪い影響があった場合を指します。この何らかの影響というのは軟骨の摩耗であったり、骨の代謝異常だったり、骨が固くなりすぎていたりなど様々なものをいうことが多いでしょう。
退行性変化、つまり「劣化」ですね。なにかしらの病変により骨の形が崩れたり、靭帯が伸びてちゃんと機能しなくなっちゃったりなどによって膝関節の構造・機能が狂った状態を言います。
変形性膝関節症は上記の定義どおり、関節軟骨の変性、退行性変化を基盤に関節機能不全をきたす非炎症性の主要な疾患になります。そこに加えて力学的に不均衡な条件、つまり関節に対する体重のかかり方によって発生し、軽度の炎症を伴って徐々に関節軟骨のびらん(ただれ)を起こすのです。
この体重のかかり方が膝関節に一定に負荷されるストレスに耐えられなくなった時、軟骨の損傷・軟骨の細胞の代謝変化を引き起こし、複数の症状を引き起こします。
重症例になると関節軟骨が完全に無くなってしまい膝関節は完全に不安定になり脱臼したり、逆に関節が全く動かない状態である不動という固定されたのと同じになってしまいます。
体重というのは人間が地球で生きている限り一生ついていくものであり、関節に負荷がかかるのは避けられません。この負荷線が大腿骨外側顆または腓骨頭を通って走るときX脚がみられ、負荷線が大腿骨内側顆またはその内側を通るときO脚ということになります。
どちらも膝関節のバランスが崩れた際に引きおこるものです。
変形性膝関節症の発症年齢・要因
さて、変形性膝関節症がいつ発症するのか気になりますよね。
そもそも変形性膝関節症は一次性と二次性に分けられます。
分類 | 具体的内容 |
---|---|
一次性 |
持病や過去のケガもなく、明らかな病気の原因が認めらない場合 例)筋力低下、体重、過剰運動、加齢など |
二次性 |
外傷や先天性異常、代謝性疾患などの明確な病気の原因が明らかであった場合 例)骨折、関節リウマチ、痛風、感染症など |
このようになり、一次性と二次性では明確に分けられます。
では、何歳くらいから発症するのかというと、だいたい60歳前後からが多く中年といわれる頃からになります。もちろん立ち座りが多かったりする膝に負担を多くかけていれば50歳代でも出現します。
しかし基本的に皆さん既往として何か持病を持っていたり、骨折した経験とかはそこまで多くありません。
変形性膝関節症の90%は一次性であり、二次性はそこまで多くありません。
では、なぜここまで一次性が多いのかという話ですね。
そもそも変形性膝関節症というのは高齢者の代表的な変性疾患であり、加齢に伴う関節の摩耗や半月板の変性により症状の訴えが出てきます。整形外科領域の中でも非常に受診頻度が高く、高齢化社会が進む日本においてますます増加の一途をたどっていて、変形性膝関節症の患者さんは年間でも数十万以上発生しているという報告もあります。
発症率は1.6-9.4%、特に高齢者では10-15%、その他の変形性股関節症は0.7-4.4%、変形性手関節症は2.6%とされており、膝関節で発症が高いです。年齢とも強く関係しています。
日本の和式生活の歴史の長さや農業の豊富さが変形性膝関節症の発症に拍車をかけていたんじゃないかと私は考えてます。現在は洋式生活として床の生活から椅子の生活へ、和式トイレから洋式トイレなど膝腰に負担が少なくなるような生活に切り替わってはきましたが、高齢者や古い家ではなかなか切り替えられないのも現実です。
こんなことから日本は一次性の変形性膝関節症が多くなるんだと思います。
ちなみに男性、女性の性差においては女性のほうが多く性差で女性3-4:男性1という結果です。
女性の方が筋力や骨の弱さもあるので発症しやすいことからでしょう。
さて、まとめると
・中年以降の女性の方が多く、体重が肥満であれば発症率は高くなり一次性を伴う。
・立ち座りなどの運動が激しい、または仕事をしている。
となります。
変形性膝関節症の症状
次は変形性膝関節症の症状について簡単に紹介したいと思います。
膝の痛み:階段利用時・イスなどからの立ち上がり時の関節痛、動作開始時痛、荷重痛、運動時痛、限定された部位の押されたときの痛み
可動域制限:膝の完全な曲げ伸ばし困難、最大屈曲角度減少、膝蓋骨の動き低下
関節変形:荷重のアンバランスによるO脚、X脚の変形の確認
膝関節の腫れ:関節の内部の液体貯留(水腫)によるグニグニ感
炎症:水腫貯留による腫れ、発赤、痛み、熱感の出現
筋力低下:炎症反応による膝周囲の筋肉の不使用による萎縮
軋音:膝の屈伸時に鳴るポキポキやゴキッとするような音、関節の動きの不全
自覚できる症状としては上記のものが挙がります。それぞれ痛みを感じたり、膝の屈伸時に音が鳴るなり違和感を感じるなり、力が入らず膝が抜けるような感覚だったり様々な症状が自覚できるでしょう。
鏡などで自分の膝を確認して、両足を合わせた後に両ひざの間に指を通してみましょう。3本以上通過したらO脚、1本または通らなかったらX脚になります。
上記は自分でも確認できるので当てはまっていたら病院で診断してもらいましょう。
ちなみに自分で自覚できない症状については
大腿脛骨関節、膝蓋大腿関節の摩耗、半月板の変性、関節面の不整、骨棘形成
これらはレントゲン画像やMRIをしないと分からない症状です。逆にこれらがあるから自覚症状が芽生えるわけなんですがね。
これら複数の症状が出現するのが変形性膝関節症の特徴になります。
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まとめ
皆さん生活に支障が出始めてから受診されるのがほとんどです。そのころには少し時間がかかる状態なのでリハビリでは理解してきてもらいますがねー
そんなわけで今日はここまで!
それではまた!
コメント
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