今回は膝の筋肉について解説していこうと思います。
そもそも何で人って身体を動かせるんですかね?
やっぱり筋肉は関与してるんでしょうか?
人間はなぜ動けるのか?骨を動かすのになぜ筋肉が必要なのか?
それを説明していきたいと思います。
うーむ、謎が深まりますねー
とりあえず説明お願いします!
筋肉の役割について
というわけで療子さんの疑問を解消するべくまずは簡単にですが筋肉そのもののお話しからしたいと思います。
筋肉はゴムのような性質をしていて触ると少しグニグニと弾力のある感触がします。力こぶを表す腕の筋肉を触ってもらうと分かりますが、力をいれると固く、抜くとふにゃっとしますね?
また、筋肉の部位にもそれぞれ名前があり、身体の中心に近い方の部分を筋頭、筋肉の盛り上がるところを筋腹、身体の中心から離れた部分を筋尾といい、筋肉の末端を腱といいます。
これが筋肉です!
さて、なぜ人間の身体は動くのでしょうか?療子さんも悩んだこの疑問に答えていきましょう。
そもそもなぜ人は歩いたり、立ったり、ジャンプしたり様々な動作が出来るのでしょうか?
それは筋肉が骨にくっついており、筋肉が働くことで骨を動かすからなのです。
筋肉は顔の表情を作ったり、手を動かしたり、体を曲げたり、足を動かしたりなど色んなところを動かすためにそれぞれの部位にくっついています。
筋肉は骨と骨をつなぐ関節をまたいでいて、それぞれの骨に付着することにより筋肉は関節を動かせるようになります。筋肉に力が入ると筋肉の長さは短くなり、一方の骨をてこの原理で持ち上げることで関節が曲がったり、伸びたりすることができます。
筋肉って骨にくっついて関節を動かす役割があるんですね!
だから歩いたり跳んだり、結果的に動くことができるんですね!
膝の筋肉の役割について
さて、簡単に筋肉がどうして働くか理解してもらったところで膝の筋肉の役割について説明していきたいと思います。
膝の動きというのは歩く、走る、立つ、跳ぶなどの空間を移動するときに大活躍する部分です。
例えば膝を曲げたり伸ばしたりすることで重心を上げたり下げたりして、身体のバランスを安定させたり不安定にさせたりして歩くスピードを速めたり遅くしたり、ジャンプをして高いところに上ったりなどが出来るようになります。
もちろんこれらの動きは他の筋肉、関節の動きも含まれますが、主に活躍するのは膝の筋肉、関節になります。
膝の主な筋肉の種類は以下の通りで
1.膝を伸ばす筋肉・・・大腿直筋、中間広筋、外側広筋、内側広筋 2.膝を閉じる筋肉・・・長内転筋、大内転筋 3.膝を曲げる筋肉・・・大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋 4.膝を内側にねじる筋肉・・・縫工筋、薄筋、膝窩筋 |
ほとんど聞いたことないような筋肉の名前が並んでますねー
このあとに一つずつ紹介していきたいと思います!
膝を伸ばす筋肉
膝を伸ばす筋肉には4つ筋肉があり、大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋に分けられます。
また、これらをまとめた名前を大腿四頭筋といいます。
まずは大腿四頭筋自体について理解していきましょう!
大腿四頭筋
大腿四頭筋は太ももの前の筋肉で、足が太かったり、細かったりと気にする部分でもありますね。他にもスクワットや空気椅子などをしているときにどんどん熱くなって痛くなったりする筋肉になります。
大腿四頭筋は大腿直筋と3つの広筋で構成されており、大腿の前と横を覆います。そしてそれぞれの筋肉が合流して共同腱を作り、その後膝のお皿である膝蓋骨を通過したら膝蓋腱となります。
膝蓋腱の場所は簡単です。膝のお皿の下をチョップしてみるとひざ下がポーンと跳ねますよね?この叩くところが膝蓋腱となり、この跳ねる現象を膝蓋腱反射といいます。
みなさんも子供のころに面白がって叩いた経験があるかもしれませんね?
この反射が起こるのも大腿四頭筋の腱である膝蓋腱がすねの骨である脛骨に付いているためであり、刺激が入ることで大腿四頭筋に力が入ることで脛骨を持ち上げて膝が伸びる現象が起こります。
このことからも大腿四頭筋は膝を伸ばす、下腿を動かす働きがあるといえます。
そのため大腿四頭筋に力を入れると椅子から立ち上がれたり、ボールを蹴ったりすることが出来ますし、バネとして利用することでジャンプ着地、ランニング、高い段から降りるなどの大きい負担がかかる際には膝関節にかかる衝撃を減らす助けにも一役買っています。
そしてもう一つ!この大腿四頭筋こそが膝蓋骨の上をツルツル滑る筋肉なんです!
以前の記事でお皿である膝蓋骨は筋肉の力を最大限に発揮させると話しましたが、この大腿四頭筋をスムーズに動かすためであり、摩擦から守り負担を減らしているのです!
[blogcard url=”https://ptsgarden.xyz/2019/02/26/【一般向け】骨を知ろう%ef%bc%81膝関節を構成している4″]
なるほど!お膝の頻繁な動きによる大腿四頭筋のストレスを減らすために膝蓋骨は丸く滑らかになっていたんですね!
納得しました!
だから大腿四頭筋がお皿で傷つくことはめったにないですし、反復した膝の運動が可能になるわけです。
これにどんな意味があるのか見当もつきませんね・・・
次は一つずつ何が違うのか見ていきましょうか。
大腿直筋
大腿直筋は、太ももの中央に位置し、力が入ると表面に浮き上がる筋肉です。膝を伸ばした状態で足を持ちあげるとふとももに浮き上がります。
大腿直筋は骨盤の寛骨という部分につき、ももの付け根である股関節を通り越してすねの骨である脛骨に付きます。
股関節をまたいで大腿直筋は走っているので、大腿直筋に力が入ることで膝を伸ばすだけでなく、ももの付け根を曲げるという働きもあります。またお皿である膝蓋骨を上に向かってまっすぐ引っ張る作用があります。
そのため体操選手などが行うようなV字バランスのような足をしっかり伸ばして持ち上げるような姿勢をしていると大腿直筋が強く働くため痛くなります。
慣れない私たちがそんなことしたらそもそも持ち上がらないか、ももを吊ってしまうかもしれません。
大腿直筋は大腿四頭筋のなかでも速く働き、力も強いです。強くて良いのですが他の内側広筋、外側広筋、中間広筋が弱くなると大腿直筋に負担が集中してしまうため筋肉が固くなり、膝・腰に痛みを生じさせることもあります。
大腿直筋のくっついている骨盤の寛骨、脛骨の関係上から股関節を曲げる、膝を伸ばすという働きがあり、立った状態などの足を着いている状態であれば骨盤を前に倒し、腰を反らしていく働きに変わります。
姿勢とか動きによって働きが変わるのは不思議ですねー
さて次は広筋群の話に移りたいと思います。
外側広筋
外側広筋は、大腿四頭筋の中でも最も大きく、大腿骨の外側にくっついて膝蓋骨の外側ならびに膝蓋靭帯の外側までつながります。なので大腿骨から膝蓋骨の外側を通過し脛骨に付きます。
外側広筋は大腿骨外側からまっすぐ伸びてきますが脛骨側の末端部分は膝蓋骨に対して横から入り込む形になるたため末端近くからカーブを描くように筋肉の繊維の方向が変わります。そのため外側広筋は膝を伸ばす働きとともに膝蓋骨を外側に引っ張って引き付ける働きも持っていることが分かりますね。
このことから外側広筋には膝を伸ばすことを中心に下腿を外に捻じり開くという働きがありがに股のような姿勢とったときに膝を安定させる役割をすることが可能なのです。
中間広筋
中間広筋は、大腿四頭筋の中でも最も深い位置にあり、大腿直筋の下に存在しています。ただ大腿直筋と違うのは骨盤に付着するのではなく大腿骨の前部分に付着するというのが特徴であるため、大腿直筋と一緒に膝蓋骨をまっすぐ上に引っ張って膝も伸ばしますがももの付け根である股関節には関与しません。
なので、中間広筋は純粋に膝を伸ばすという動きのみになるのですね。
しかし、中間広筋の特徴は別のところにあり、中間広筋の深部には膝関節筋という名前の繊維がありますがこれは膝関節の中の膝蓋大腿関節の動きを滑らかにしてくれる働きがあります。
そのため中間広筋の働きとしては膝を伸ばすことと、膝関節筋が膝を伸ばすと同時に膝蓋大腿関節の動きの効率よくするのが役割をなります。
中間広筋の働きをもっと細かくする際には臨床向け記事の時に話そうと思います。
内側広筋
内側広筋は、外側広筋と逆位置になり、大腿骨の内側ならびに膝蓋靭帯の内側を通過して脛骨に付きます。そのため内側広筋においては膝を内に入れた姿勢、内股になった際に膝を安定させる役割を持ち、筋肉の方向も膝蓋骨の手前でカーブを描いて横から入り込みますので膝蓋骨を内側に引き付けておくことが可能です。
内側広筋の重要性は上記に関してもそうなのですが、膝蓋骨を外側に脱臼させないように、大腿骨の顆間溝というレールから脱線しないように内側から引っ張り守ります。これは大腿四頭筋全体が外側へ脱臼させる傾向があるからなのですが、外側広筋が強力な力なためと膝蓋骨はやや外側にカーブしながら動くのが関係しています。
これを防げるのは内側広筋だけであり、この内側広筋が弱くなると膝蓋骨脱臼を起こしますし、膝蓋大腿関節の障害を引き起こします。また、内側広筋が働くのは膝を伸ばす運動の際でも完全に膝が伸びる手前が主なので弱いと膝を伸ばしきれなくなります。
内側広筋の弱化は膝に悪影響を与えやすく、臨床でも重要度が高い筋肉になります。
内側広筋が与える膝の影響が十分なのが伺えますねー
次は膝の内側の筋肉をみていきましょう!
膝を閉じる筋肉
膝を閉じる筋肉、元々は股関節の筋肉であるのですが膝の方にも影響するためこちらでも述べさせてもらいます。
よく「膝を閉じて!」、「足を閉じて!」と言われますがこの時に動かすのがこの筋肉です。主に閉じる筋肉には長内転筋、大内転筋、短内転筋があるのですがそのなかでも長内転筋、大内転筋について説明していきたいと思います。
長内転筋
長内転筋は、ももの内側を走る細長い筋肉で字のごとく長いです。
くっつくところは骨盤の下部で股間の際付近から始まります。そのまま大腿の内側を伸びた先は膝関節の手前の大腿骨内側上顆の直上で停まります。
視覚的にも力が入れば見やすく浮き上がり、触っても判別しやすい筋肉になります。
長内転筋の働きは股関節を内側に引き寄せる運動、つまり足を閉じる働きがメインになり、他にも股関節を曲げたり伸ばしたり、股関節を外に広げるような作用もあります。
この曲げたり伸ばしたりというどちらの働きを表しているのは股関節の角度によって変化するためであり、境は60°以上で伸び、それ以下であれば曲がる方向に変わることを意味します。
この内転筋に変化があると膝の変形にも影響がでるからですよ!
画像見ても全部股関節付近から筋肉が伸びてますね!
なるほど!だから膝のテーマでも説明する必要性があるんですね!
それでは大内転筋に移りましょう。
大内転筋
大内転筋は、長内転筋と同様に骨盤下部から伸び、大腿骨の途中で停止します。大内転筋には骨盤の二つの部分から伸びており、それぞれ筋性、腱性と分かれています。
この大内転筋は大腿四頭筋とともにももの太さに関与していて、弱いとももの内側がぺっこりとへこんで見えます。
大内転筋は股関節を内側に引き寄せ、足を強く閉じる働きをします。また、大腿骨を固定すると片方の骨盤を引き、反対側の骨盤を下げる作用があります。さらに筋性部分では股関節を曲げ、腱性部分では股関節を後ろに反らす働きに変わります。
大内転筋にはもう一つ機能があり、先ほど話した内側広筋とつながりを持っていて大内転筋に適度に力が入っていれば内側広筋の筋力の発揮する効率に影響を与えます。
療子さんのおっしゃる通りで大内転筋が弱くなると内側広筋も活動低下します。
詳しい話は膝の変形の時に話しましょう!
膝を曲げる筋肉
膝を曲げる筋肉にも数種類存在しており、それらをまとめたものをハムストリングスと呼びます。
このハムストリングスは大腿二頭筋(長頭、短頭)、半腱様筋、半膜様筋の三つに分けられそれぞれ内外にわかれて働きを担っています。
まずはハムストリングスについて説明していきたいと思います!
ハムストリングス
ハムストリングスは筋肉をまとめた呼び名ですが、その筋肉の始まりは全てお尻の骨の出っ張りからなります。
床やイスに座る時にお尻に手を入れて体重を乗せてみましょう。手に少し丸みを帯びた突起を感じませんか?グリグリしますよね?これは坐骨結節といってここからハムストリングスの筋肉は始まっているんです。
ハムストリングスはももの後面にあり、お尻から股関節を通過して膝裏をも通過して下腿に付着します。そのため、ももの付け根を後ろに反らしたり、下腿を後ろに引っ張って膝を曲げる働きが出来ます。
膝裏を触りながら膝を曲げると内外で細いスジがテントの鉄骨のように固く張ってきますね?それがハムストリングスとなります。
ちなみにこのハムストリングスはよく身体の硬さの指標にされやすく、長座体前屈とか立位体前屈において骨盤を前に倒すことに対して制限をかける要素になります。そのためハムストリングスが固いと腰を曲げる際の腰痛の一因になります。
この理由としてはハムストリングスが立ってる時や歩く際の骨盤や体幹の位置を制御するのに非常に効果的な筋肉だと言われるからです。姿勢制御をかけるだけでなく、膝関節の衝撃に対してクッションとして緩和してくれる役割もあるので日常生活においても負担をかけやすい筋肉なのです。
立位体前屈できます?
ハムストリングスが固い人は姿勢も悪くなってる可能性もあるので柔軟性は確保しておきたい筋肉なんですよね。
大腿二頭筋(長頭、短頭)
さて。ハムストリングスを構成しているその一つである大腿二頭筋から話しましょう。
大腿二頭筋はまず長頭と短頭の二頭があり、短頭は大腿骨、長頭は坐骨結節に付きます。そしてこの二つの最後にたどり着く先が腓骨になります。
坐骨結節から始まり、腓骨で終わるので膝裏の外側のスジが大腿二頭筋になり、外壁を作るのです。
大腿二頭筋長頭は股関節を後ろに反らし、膝を曲げる働きを持ち、立っていたり足を着いた状態だと骨盤を後方に倒します。
大腿二頭筋短頭は膝を曲げる機能だけですが、両者の共通した働きは膝を曲げることと、下腿を外に捻じり外に向ける働き有します。
半腱様筋
半腱様筋は膝裏の内側に内壁を形成し、脛骨の内側に付着します。付着部で半腱様筋は扇状に広がってベッタリします。半腱様筋は半分は長い腱となり、半膜様筋の上を覆って前へ回り込むように走っています。そのため半腱様といわれる筋肉になるのです。
半腱様筋の特徴は膝を曲げたり、骨盤を後ろに倒す作用は他の筋肉と同じですが、半腱様筋は内側にあるため下腿を内側に引っ張り捻じる効果に変わります。また、半腱様筋は半膜様筋に比べて捻じる力が強いのが特徴になります。
半膜様筋
半膜様筋は、半腱様筋より深い場所に位置し、坐骨結節から始まり脛骨の内側顆に停まります。半膜様筋は半分広い腱膜で構成され、残り半分は厚くひらぺったい筋腹になっています。
半膜様筋は半腱様筋に比べ下腿の内側の捻じりは弱いですが、膝を曲げる際に関節の間にある組織(半月板、関節包)を挟まないように円滑に曲げる役割があります。
そのため半膜様筋が働かないとうまく膝が曲がらなくなり、組織を挟むので痛みが生じる要因にもなります。
膝を内側に捻じる筋肉
捻じる筋肉、つまり下腿を内側に捻じる筋肉になります。
その筋肉として縫工筋、薄筋、膝窩筋があります。全て聞きなれない筋肉ですがどんなものか解説していきたいと思います。
縫工筋
縫工筋はももの付け根の外側から前面を斜めに横切り、膝の内側に向かう幅の狭い、人の身体の中でも最も長い筋肉です、寛骨の出っ張りから始まり大腿骨と脛骨の内側顆を回り込み、扇状に広がり脛骨粗面の内側に付きます。
そのため縫工筋の働きとして、ももの付け根を曲げるのと同時にあぐらをかくように足を持ちあげる動きをします。その時に脛骨粗面の内側から下腿を内側に捻じりながら引っ張るのです。
薄筋
薄筋は恥骨という骨盤の下部から始まり脛骨に付く細長く薄い筋肉です。ももの内側を走って脛骨粗面の内側に付くので足を閉じる運動にも関与します。
薄筋は内側にあるため、大腿骨を内側に持っていき足を閉じる運動を主にしつつ、ももの持ち上げ、膝を曲げ下、下腿を内側に捻じる働きをします。
立った状態などでは骨盤を前に傾けていきます。
膝窩筋
膝窩筋は比較的三角形をしている筋肉であり、大腿骨外側上顆の外側から始まり、脛骨後面上部で終わります。
この膝窩筋は小さく短い筋肉でありますが膝を曲げる、下腿を内側に捻じるという作用を持っています。この小さな筋肉がどんな役割を果たすのかというと、膝が完全に伸びた状態から曲げ始める際の最初の動きに必要だからです。
どういう意味かというと、膝は伸びた状態の場合下腿が外側に捻じられたままになります。そのためこの捻じり解除するため内側に捻じってロックを解除するのが膝窩筋の本来の役割になります。
この膝窩筋が働かないと膝は正しい関節運動が出来ず曲げることができなくなります。それを予防するために膝窩筋が最初にロックを外すことで膝を曲げるという動きが可能になるのです。
小さい筋肉は基本的にパワーとしての役割ではなく、関節の動きなどに対して補助する方が多いですね。
まとめ
今回はかなり長かったと思いますが、それぞれの筋肉についてまとめてみてどうでしたか?
でも何となくでも筋肉の位置とか役割が理解できたと思います!
今回は一般向けなので簡単にまとめたつもりですが、今後ももっと分かりやすくしていきたいと思います!
そして膝の最後は変形性膝関節症について展開と考えています!
次の記事でも勉強させていただきます!
それでは!
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