MENU

患者の笑顔のために頑張る!理学療法士はどんな勉強してるの?


生活復帰のために身体の運動を中心に患者さんと関わる職業、それが理学療法士です。
みなさんはどれくらい理学療法士のことを知っていますか?
理学療法士はあまり知名度も高くなく、知られていたとしても病院のリハビリを受けた方くらいで完結して知らないというのがほとんどです。
ブログを読んでくれた方や名前だけ知ってる人なら何となく体に関わることなのかな?と察することはできると思いますが、そんな理学療法士がどんな勉強を学校で学んでいるのかを紹介していきたいと思います!

理学療子

理学療法について知りたい方はこちらの記事も参考にどうぞ!

青年

理学療法士ってどんな仕事なのか知りたいなー

青年

今後理学療法士になりたいけどどんな勉強をするのか知りたいな・・・

社会人男性

理学療法士と関わるときの参考にしたいね・・・

などなど、疑問・悩みのある方の参考になればよいと思います。
また、今後の知識の参考にもどうぞ!

理学療子

理学療法士ってリハビリのイメージなんでなんとなく医学系の勉強しているんだろうなーとは思いますけど、どんなことをしているかまでは分かりませんよねー

佳吾

理学療法士自体知名度が低いため勉強量や幅広さに実感が湧かないかたがほとんどでしょう。
実際私も医学の勉強をすることまでは分かっていましたが、予想以上の幅広さにかなり悪戦苦闘しました(笑)

目次

理学療法士はどんな勉強をするの?

勉強死にたい

理学療法士の勉強では基本的に人間の身体の仕組みを理解していきます。
人間の身体は何で構成されているのか?
人間の身体や内臓はどんな働きをしているのか?などを最初に学びました。
これらを理解したうえで身体の状態を把握するための検査・評価を行って、その上でなぜその状態になっているかを理論的に考えて運動処方していくという流れを基に学校ではカリキュラムが組まれています。

キャプション
  1. 人体に関する個々の名称や機能・病態を理解する。
  2. 機能・能力を把握するための検査・測定を行う。
  3. 身体機能、病態に合わせた運動プラン立案方法を考える。
  4. 具体的な運動処方の仕方を選択する。

理学療法士に必要な勉強科目

人間の身体を理解するには正常な状態を知り、その上で疾患とその病態を理解しなければなりません。
そしてその勉強内容も幅が広く、質ともに量は膨大です。
その一部をこれから紹介していきたいと思います!

人体構造の最大の基礎となる解剖学

解剖学の画像

骨・筋肉・神経・内臓・脳などのそれぞれがどこに位置して、何という名前なのかを学ぶのを中心とします
骨の内部の構成や筋肉内部の構成、内臓の一部分の名前などを細かく覚えていくというとにかく知識を詰める科目です。
骨は全身に約200余り、筋肉は約400余りありますので、それをまず覚えてそこに神経や内臓なども含まれた上で位置関係、大きさなどを理解していく必要があります。
脳も同様に前頭葉がどこからどこまでか、前頭葉の一部のしわの名前はなんというかなども覚えていかなくてはなりません。

これらの部位名や位置、形などを理解できなければ人間の身体の動きや内臓の動きなどを理解するにあたって想像できなかったり、画像などを見ても分からなくなってしまうので基本中の基本となります。勉強の中でも特に基礎科目になりますので解剖学でつまずくと他の科目に関しても非常に支障が出やすいので、しっかりと固めていきたい科目ですね。

身体の中身の働きを深く知るための基礎、生理学

生理学

筋肉がどうやって動いてるのか、内臓はどういう風に働いているのか、痛みや触られた感覚はどうして感じるのかなどの身体の至る機能を細胞レベルから勉強し理解していきます。
解剖学と違ってくるのは骨や筋肉・脳などの名称を知るだけではなく、それらの中身でどんなことが働いているか機能的な仕組みを一連の流れで理解する必要があるのが生理学分野です。
これも基本の分野なためしっかり学んでいく必要があります。

理学療法をするにあたって病気が関わってきますが、なぜ呼吸がしにくいのか、心臓が働きづらいのかを知るためにはまず欠かせない分野です。
この分野の理解が不十分だと患者さんの内部機能である内科疾患・心疾患の状態を把握できないので、リハビリの進行に支障を来たします。
とはいえ、学生の時点で苦手意識が付きやすい科目でもあり、解剖学よりもつまづきやすいイメージがあります。かくいう私も生理学は苦手分野に入っていました(笑)

解剖学・生理学の発展型となる運動学

運動学

解剖学・生理学を基本とした上で理解しなければいけない分野です。
人間の身体が動くのは生理学で話したような細胞の働きがあることで機能します。
腕を動かすということは筋肉に力が入ることで筋肉が縮み、筋肉が縮んだことで繋がっている骨が引っ張られて動きます(この画像だと骨はありませんがね(笑))

運動学はこの解剖学・生理学を基本とし、物理学や心理学などが関わります。物理学は力学による運動の理解、心理学は感情や心の持ち方によって表れる姿勢などです。
これらを通して、姿勢や歩行に与える影響(どうやって歩いてるか、どうしてその姿勢で歩いてるのか)を考えたり、正しい姿勢・歩き方を細かく知って観察・分析できるようにしていくのが目的になります。

理学療法士にとってこの科目はとても重要であり、臨床においても要になります。
運動学が不十分であると患者の姿勢や歩き方などの動きから得られる情報が少なくなって改善のヒントが得られないため、リハビリで原因がつかみ切れないため結果が反映されにくくなるでしょう。
逆に、運動学に強くなればどんな疾患であろうと動作から得られる情報量が増えるのでどうリハビリしていけばいいのか対策が立てやすくなります。
なので、これらは十分過ぎるくらいに勉強しても損はしないです。

肉体だけでなく精神にも寄り添うための心理学

心理学

解剖学や生理学とは分野が少し変わってきますが運動学には関連してくる科目です。
運動学でも話しましたが、感情や心の状態によって姿勢が表れます。
ただ、運動学のために行う勉強というわけではなく、やはり患者も病気によって精神的に悲観していたり、尖って怒りっぽくなる人もちらほらいらっしゃいます。
我々医療従事者はただマニュアル通りに患者や家族に接するのではなく、その患者の心の変化や状態を把握したり、家族の変化にも対応して接していかなければなりません。
リハビリで運動をしてもらうためには相手の心に寄り添うのが必要、そのためには相手がなぜそのような感情を発しているのか、モチベーションが低下しているのかなどを心理学で人の心の動きを学び、なぜその発言、喜怒哀楽をするのかを考える基礎を学びます。

リハビリ阻害要因を知るための内科学

胸の痛み

内科学は風邪の症状から難病疾患まで学ぶ幅広い分野です。
こういった疾患を内部疾患とも言いますが、心疾患、呼吸器疾患、糖尿病などの症状、原因、検査項目や治療方法などを学びます。

内科疾患は直接リハビリには関係してきませんが、リハビリを円滑に進行させない阻害要因になってきます。
心疾患を患っていれば強度の高い運動はできないため短期的に筋肉を鍛えることが難しくなります。
呼吸器疾患であれば長時間の長距離歩行訓練は呼吸困難に陥らせる場合があります。
そんな患者の負担やリスクを回避するために内科学で疾患を理解していくことが目的になります。

骨折や変形を勉強する整形外科学

整形外科学の画像

整形外科学は、捻挫や腰痛、骨折、変形関節症などといった骨・筋肉・靭帯・神経などに悪影響を与える疾患について知る科目です。
脳梗塞と同様レベルのリハビリ対象としてメインになりやすい疾患で、膝の痛みや肩の痛み、腰痛を中心に転倒や事故による骨折、腰椎椎間板ヘルニアのような神経症状がある疾患をリハビリします。
基本的に痛みや痺れ、感覚障害を症状としたものが多く、整形外科のリハビリでは動作改善は基本に痛みや痺れなどを改善していくのが目的になります。

ただ、変形による痛みなどでは関節にかかるストレス、骨折では骨折部に負荷が掛からないように注意してリハビリをする必要があり、整形外科学ではそんな痛みについての勉強や原因、詳細な症状を学んでいきます。

機能・能力を把握する検査・測定

上記の科目を習った後にはそれらを把握するための検査・測定を行います。
これは患者の身体状態を内外含めて判断するために行い、関節の可動域、筋力、動作能力、バランス能力、バイタルサインなど多岐に渡ります。
その一部をこれから紹介します。

患者の気分と状態を把握するバイタルサイン

バイタルサイン

バイタルサインとは、血圧・脈拍・体温・呼吸の状態を表し、これらに対して行う検査です。
体温は体温計、血圧は血圧測定し、脈拍は手首や肘、首などのいずれかを指で触れて回数を測定します。
呼吸数は胸の動きを時間で測り、リハビリを行う前はほぼ必ず測定します。
高血圧や糖尿病、心疾患などを患っている人は特に配慮しながら行い、時にはリハビリをしながら状態確認して運動による変動に注意することもしばしばですね。

バイタル測定は患者が今リハビリを行って良いのか、中止した方が良いのかの判断材料になります。
血圧が通常より高ければ中止になりますし、呼吸数が多かったり、少なかったりすれば意識障害や呼吸器の問題を疑い、体温が高ければ高熱による風邪や肺炎、脈拍ならば不整脈などが判断できるでしょう。
これらが一定の基準を超えたり、満たしていなければ医師や看護師から継続するか中止するか、状態確認しながらリハビリをするか判断してもらいます。
そのため、バイタルサインの測定方法は授業でも最初の方に学ぶのが特徴です。

関節の柔軟性を数値化する関節可動域検査

ROM

関節可動域検査は、首から足の指まで全ての関節の可動域を測定します。
関節の硬さや柔らかさをただ見るだけでなく、それぞれの関節の柔軟性からどこが動きの制限を来たしている原因になっているかを考えたり、関節を構成している骨の動きがどう破綻しているかなど色々な検査・測定内容と合わせて考えます。
そのためには各関節の角度がどれくらい動くのか、どこから基準で角度を見るのか、どういう風に測るのかを実技を通して習います。
首から足先まで一つ一つ調べていくため、それぞれの関節の可動域検査の基準を覚えなきゃならないため最初は苦労しますが現場では欠かせない検査手技のため出来るようにならなければなりません。

関節ごとの筋力を診ていく筋力検査

筋力検査は各関節における筋肉の力を測定していきます。
関節可動域検査と同様に首から足先の関節に対して負荷を掛け、筋力がどれくらい発揮できるか測定します。
各筋肉の筋力を見ることで、どこの筋肉が弱く、それが動作にどう影響しているかを考える材料にしたり、痛みのメカニズムにどう関連しているかひも解く考えに利用したりします。
基本的に筋力をただ測り鍛えるだけでなく、なぜそこが弱くなったのかを病態と絡めて根本的な部分まで考えるために検査するので、健康な人に対して行う筋力測定とは異なります。

様々な機能を分析するバランス検査

バランス検査

バランス検査は文字通りバランス感覚を見るテストです。
筋力的な面、脳機能面、触覚などの感覚的な面など様々な視点から何がバランス能力を低下しているのかを検査し、判定します。
単純にバランスが取れているかを判断するのではなく、どういう姿勢で保とうとしているか、どんな揺れ方、どの方向に転びそうなのかなどの動きからどの能力が低下してバランスが崩れているかを考えるために行います。
片足で立ってもらったり、座ったまま身体を傾けてみたり、立った状態や座った状態から押してバランスを保てるのかなどを行うことで身体の反応をみるのが特徴です。
特に脳梗塞後の半身麻痺の患者に行うことが多く、麻痺の回復過程を見たりするのにも利用されますし転倒の危険性を判断するのにも利用できます。
上記の検査・測定に比べて観察する点が多いため、他の検査・測定と組み合わせて考えることが多いです。

画像の診方を学ぶ画像診断

レントゲン

CTスキャン、X線画像、MRIなどといった画像を医師の基で確認を行います。
医師と一緒に状態を確認し、どこに異常があり、どれくらいで治癒するのか、現状でどこまでのリハビリを行ってよいのかなどの情報やりとりをしていきます。
理学療法士も確認することでどこが損傷しているか、異常があるかを確認しすることでリハビリの方針を大まかにではあるが考えます。そのうえで医師に運動の限界量や姿勢・動作の禁止事項を聞いたりするため画像診断能力を勉強にて養います。

理学療法士による運動プラン立案

運動プランを立案するためには上記の解剖学や生理学などの知識、関節可動域検査や筋力検査、動作観察などの検査・測定の結果を基に考えられます。
まず問題点を洗い出し、その後整理しますが、その際に「何の機能が障害され、どんな動きが出来なくなり、どの生活場面に支障が生じているか?」を基本に順番に並べていきます。
その後、原因と思われるものから優先順位をつけて整理し、どうしてそうなったのか、今後の展望はどうなのかを予測し目標を立ててまとめます。それらの内容から必要な運動、動作練習を組み立てて完成になります。

理学療法士による具体的な運動処方

上記のように原因を考え運動プランを組み立てたら、あとは実践あるのみです。運動の種類には大まかですが下記のようなものがあります。

キャプション
  1. 筋力強化訓練
  2. 関節可動域訓練
  3. 動作訓練(歩行・立ち上がり・座位保持・階段動作・スポーツ動作など)
  4. 特殊手技(PNF・関節モビライゼーションなど)
  5. リラクゼーション(マッサージ・ストレッチ・筋リリースなど)

リハビリで行う運動方法は豊富なため主な種類を少し列挙しましたが、実際はもっと色んな運動を行っています。ただ理学療法士によって施術のスタイルが異なる場合もあるので必ずこれをやる!とは言い切れないです。
それぞれの理学療法士が自らの考えに則ってリハビリの戦略を立てるため、同じような症例であってもやり方が違うことはしばしばありますね。

【結論】勉強量はやりがいと比例する膨大な量!

佳吾

お疲れ様でした!
今回記載した科目や検査・測定はごく一部であり、この何倍も色んな知識、技術を習得する必要があります。
そしてその集大成として実習に臨み患者のリハビリに介入していきます。

理学療子

理学療法士さんの勉強って大変なんですね!単純に歩く練習とかの仕方だけかと思ってました。

佳吾

先ほどの科目に加えて社会福祉の分野や地域医療、コミュニケーション学や教育学、医学英語などもあります。
理学療法士は病院だけにとどまらず活躍しますのでそれだけ知らなければいけないことがありますね!

理学療子

患者さんに関わるのでそれだけ勉強しないとできないということですね!私ももっと理解できるように頑張らないと!

佳吾

というわけで今回はここまで!お疲れ様でした!

理学療子

また次回お会いしましょう!

内科学の画像

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次